【子どもが宿題を嫌がる問題の"本質"とは?】
小学一年生のお子さんが
「宿題をやりたくない!」
と泣き叫んでいるという相談をお母さんから受けまして…
「宿題をやりたくない」
ってお子さん
「子どもが宿題をやらなくて困っている」
お母さん
ってものすごく多いと思うんです。
10歳の不登校YouTuberのゆたぼんも
不登校のきっかけが「宿題をやりたくなかったから」と言って
それに対して「甘えだ!」とかかなりのバッシングがありました。
どうも
日本中に宿題はやらなければならないこととして
宿題の意味も、宿題をやりたくない意味も考えることのない思考停止状態に陥っているようです。
私もそういう感覚がありました。
が
娘が宿題をやりたくなくてできなくて不登校になった経緯を間近で見ていてわかったことがありました。
☆
一つには、これは研究結果として知った事ですが
『小中学生に宿題をやらせると学力は下がる』
ということがあります。
間近で見ていても
最初は嬉々として宿題をやっていて
学ぶことが楽しかった娘が
段々と宿題が苦痛になり学ぶことが苦痛になっていきました。
これは逆効果と思いました。
これをわかっていて
宿題をやりたくなるようにクラスを運営している先生がいるのも知っていて
それはそれで一つのやり方だなと思いましたが
そんな先生は私は一人しか知りません…。
☆
もう一つ、こちらが本質だなと
相談してくれたお母さんにお話ししながら自分でも腑に落ちましたが
宿題というものは、学校教育の体質を代表している存在であり
その体質は
「言われたことに従うことを求めること」
なんですよね。
自分が興味を持って学びたいことを
学びたい時に学ぶことができない
というのが現在の公教育のシステムの基本ですよね。
自主性があって
自らの興味に従い学びたい意欲のある子どもには
言われたことに従って
ただ業務をこなすような授業や宿題は
苦痛であるのは当たり前だと思うのです。
だから
ゆたぼんやうちの娘などの不登校の子で
「宿題をやりたくないから学校に行きたくない」
っていうのは
「怠け」
ではなくて
「自主性」
があるからなんだと思います。
全ての子でそうかどうかはわかりませんが。
☆
学校に行くのが楽しい
自ら学びたくなって学ぶ
という学校もあるんですよねー。
全ての子に合うわけではないと思うけど
娘がシュタイナー幼稚園に通っていたので
シュタイナー教育の学校も調べていて
夏休みとか休みになると
「学校に行きたい!」
と子どもが言うそうで…。
今娘が通ってる学校も
小学生の時は娘は夏休み始まった瞬間に
「早く学校行きたい!」
って言ってました(笑)
でも、中学生になって、学校がハードになって、言わなくなりました…。
その違いは、やらされてる感のある作業が中学生になって増えたことにあるんだろうなという印象です。
☆
息子は小学一年生の二学期以降ずっと学校には行っておらず
宿題は入学後3日でやらなくなったのですが(笑)
今はプログラミングを自分で本を読んだりネットで調べて楽しそうにやっています。
子どもは自ら学びたいことを学ぶのは
意欲的にやります。
その学びの内容は大人が期待するものと違うかもしれませんが
子どもは子どもには必要なことをわかっていると私は思っています。
社会を生きていくのに必要な読み書きや計算は
自分がやりたいことをやる過程で身につけざるを得なくなるのではないかと思っていて
必要に迫られれば自主的に学ぶのだと思います。
サポートが必要なことは見ていてサポートしてあげたらいいと。
☆
宿題をやらないのは怠けではないのか?
という疑問に対して思うのは、
人は
「やらされるから怠ける」
のではないでしょうか?
要求されることにたくさん応えれば応えるほど
自分が望むことではないこと、
つまりは自分のエネルギーが湧かないことをやらねばなりません。
それは、とても、疲れます。
だから怠けるのではないでしょうか?
これは、大人になるにつれて、人にやらされるというより
他者の価値観を自分に取り入れて
自分の中の他者が自分にやらせるようになります。
だから鬱になったりするんじゃないかと思います。
☆
起きていることはシンプルなんじゃないかな。
自分がやりたいことをやれずに
言われたことをやることを強いられているから
やりたくない。
エネルギーが湧かないから
やろうとしてもできない。
☆
だから
「宿題をやりたくない」
ということの本質は
現代社会の構造、現代社会の病理と同じなんですよね。
自殺者が増え続ける。
鬱病が増え続ける。
その構造と同じだと思うのです。
☆
そんな構造まで深入りしなくても
宿題ができてしまう子もいるし
宿題しなくて毎日先生に怒られながら学校に行き続けるツワモノもいます(笑)
もし
あなたのお子さんが
「宿題をやりたくない」
と言ったり
なかなかやりたがらなかったり
ダラダラやり続けて時間がかかる
ような時は
こんな構造が背景にあることを知っておくと違う風にお子さんを見ることができるんじゃないかなと思い
シェアしました。
「宿題をやりたくない」
というのは現行の公教育の中ではとても自然な反応で
むしろ自主性をちゃんと失わずに持っている現れでもあると私は思います。
(やる子が自主性がないという意味ではないですよ。)
☆
とはいえ
宿題をやらずに学校に行くのは
今の学校ではとても大変だと思います。
やりたくない宿題をやらせるのも苦しいでしょう。
そして
宿題の問題は、学校教育そのものの問題ですから
宿題をやらないという事を容認するのは
学校教育自体とどう付き合うかの姿勢まで変えてしまいます。
なので
急に変わるのは難しいかもしれません。
今回相談してくれたお母さんにおススメしたのは
子どもの「嫌だ」と苦しかったり悲しかったり苛立つ思いに共感すること。
お母さん自身が学校に行きたくなかったり宿題をしたくなかったりという思いを
我慢して頑張ってきたのですよね。
だから子どもがやらないのを見ると苦しくなる。
そのお母さんの苦しさと
お子さんの苦しさは同じところから来てるから
わかちあえる、わかりあえると思うのです。